ドイツの朝ごはん文化に学ぶ! 冷蔵庫を開くだけで始まる、気負わないおもてなし

ドイツで誰かと仲良くなると、驚くのが「朝食に招かれる」ことです。
「よかったら、うちに朝ごはん食べにこない?」
でも日本人の感覚だと、「えー、そんな朝からバタバタさせて大丈夫かな?」と思ってしまいますよね。
朝から人を呼ぶなんて、日本ではなかなか考えられません。
でも、こんなお誘いはドイツではよくあるんです。

朝が一番大事な食事、という意識

ドイツでは、朝ごはんが1日の中で一番重要な食事。
昼は職場や学校で簡単に済ませ、夜も火を使わずにパンやチーズなどを並べるだけ、という家庭も多いもの。
だからこそ、「朝にしっかり食べて1日をスタートする」という意識が根づいています。

伝統的なドイツ人の朝食観

ドイツの朝ごはんといえば、基本はこう。
手のひらサイズの丸いパンにハム、チーズ、ジャム。

たまにはスープでも……なんて提案したら、
「そんなの食べないよ。そんな重いもの、朝から食べられないわ。」と真顔で言われます。
どうやら、さっぱりしたスープという発想自体、あまり存在しないようです。
なんか腑に落ちないけど、とにかく食べたくないらしい。

つまり、“朝はパンに限る”というより、
朝はパンしか知らない、それ以外、受け付けない」というほうが実際に近いかもしれません。
この朝食観には、良くも悪くも揺るぎない伝統が根づいています。

その頑固さには驚かされますが、ある意味で潔くもあります。
何十年も同じメニューを食べ続けられるなんて、尊敬を通り越して、もはや修行です。
和洋中と気分で変えられる日本の食文化に慣れている私たちには、
毎朝同じものを食べ続けるのは、ちょっと真似できそうにありません。

平日はそれぞれの場所で

もっとも、平日に家族みんなでゆっくり朝食とはいきません。
皆、それぞれの場所で朝ごはんを食べます。

朝の時間に余裕がない家庭も多く、子どもは幼稚園で友達や先生とテーブルを囲みます。

学校では10時過ぎに、軽食を取る時間があり、クラスメイトと一緒に、各自持参した軽い朝食を食べます。

大人は通勤後、オフィスでコーヒー片手にサンドイッチをかじりながらメールをチェック、そして同僚と談笑――そんな光景もよく見かけます。

週末の朝食はちょっとしたイベント

週末の朝ごはんはこんな感じ

それでも週末の朝食となると、話は別。

パン、ジャム、ハム、チーズに加えて、半熟卵を茹でたり、果物やヨーグルトを並べたりと、テーブルはとても華やかです。飲み物も、コーヒー、紅茶、ジュース、誰のニーズにも対応します。

とはいえ、料理というより「冷蔵庫から出して並べるだけ」。
それでも立派におもてなしになるのが、ドイツの朝ごはんのいいところ。
呼ぶ方も気軽、呼ばれる方も気楽。
この「気負わなさ」こそ、見習いたいスタイルです。

パンの種類も豊富で、丸いもの、クロワッサン、カボチャの種がついたものなど、
見ているだけで楽しくなります。

ドイツでブランチにお呼ばれするときのコツ

ひとつ注意点を挙げるなら、「朝食会」と言っても実際はブランチになること。
10時集合でも、大勢が集まるときは、誰かしら1時間ぐらい遅れてくるのがドイツ流(?)。
その日早く起きたなら、お腹がすきすぎないように、何かつまんでから出かけるのがおすすめです。


昼や夜に友人を招くのはちょっと大変……というときこそ、
ドイツ式ブランチ。
買ったパンと、冷蔵庫の中身をテーブルに並べるだけで、
ゆったり楽しいひとときが生まれますよ。

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