「母乳がなかなか増えない…」
そんな不安を抱えて検索している方も多いのではないでしょうか。
私もまさに同じ状況でした。産後すぐは母乳が足りず、ミルクを併用しながら赤ちゃんの体重増加を確認しつつ、頻回授乳や栄養のある食事、水分補給、体を冷やさない工夫と、できる限りのことを続けました。
それでも心細くて泣きながら検索したことも。
そんなときに大いに助けられたのが、母乳ハーブティーでした。
私の場合、軌道にのるまでに2か月もかかりましたが、続けていく中で少しずつ効果を実感できました。母乳育児はすぐに結果が出るとは限りませんが、時間をかけることで改善していくこともあるのだと思います。
そしてここからは、母乳を増やすためにどんな成分が効果的なのか、ハーブティーを飲むときの注意点、そして私自身が実際に飲んでよかったおすすめのお茶をご紹介します。
母乳増量の有効成分とは?
一般的に母乳ハーブティーにはフェンネル、アニスシード、キャラウェイがブレンドされています。これらは昔から「母乳を増やす」と言われてきたハーブですが、実は科学的な効果がはっきり証明されているわけではありません。
では、何が科学的に根拠のあるハーブかというと——「フェヌグリーク(コロハ)」です。
ある研究では、フェヌグリークを摂取した母親のグループで、母乳量や赤ちゃんの体重増加が見られたと報告されています(Effect of fenugreek on breast milk production and weight gain among Infants in the first week of life, ScienceDirect)。
さらに、複数の研究をまとめた解析でも、フェヌグリークを摂ったお母さんは母乳量が増える傾向があることが確認されています(Effectiveness of fenugreek as a galactagogue: A network meta-analysis, PubMed)。
実際にドイツの助産師さんからも、「母乳を増やしたいなら、フェヌグリークが入ったハーブティーを選ぶように」とよく言われます。
また、最近の研究では、フェヌグリークと同じくらい母乳をサポートする可能性がある食品として、デーツ(ナツメヤシの実、ドライフルーツ)も注目されています。解析によると、フェヌグリークよりやや効果が高い場合もあると報告されています。
デーツは甘くて食べやすく、ドライフルーツとして手軽に取り入れられます。母乳育児中の間食やおやつとして、無理なく栄養を補えるのも魅力です。もちろん、過剰摂取は避け、普段のバランスの良い食事の中で取り入れるのがおすすめです。
もしご希望なら、当店でも安心して食べられるオーガニックのドライデーツを取り扱っていますので、母乳サポートの補助として手軽に活用できますよ。
そして、デーツといえば、子ども用のお菓子ですが、ドライデーツで甘みをつけたサイコロ型のミニトリュフチョコは、店主も大好きです!
もちろん「誰にでも必ず効く」とまでは言えませんし、大規模な研究はまだ不足しています。でも「母乳量を増やす可能性が高い食品」として、フェヌグリークやデーツは注目されています。
フェヌグリーク入りのおすすめハーブティー
私が愛用していたのは Weleda(ヴェレダ)のマザーズティー。
原材料を見ても、一番最初にフェヌグリークが書かれているので、配合量が一番多いことがわかります。(ドイツでは、分量の多い順に書くことが法律で決まっています。)
味は、いろんなハーブを摂る食習慣のない日本人にはちょっとクセがあるな、と感じるかもしれません。でも慣れれば大丈夫。私は最初「うーん」と思いつつも、2〜3日でゴクゴク飲めるようになりました。日本人のママ友たちも「出が良くなった」と喜んでいましたよ。
ティーバッグタイプなので、授乳中のバタバタした生活でも手軽。カップにポンと入れて、お湯を注ぐだけなので、助かりました。しかもドイツでは日本に比べてお手頃価格。なので、当店では、国際送料を考慮しても、日本で売られているよりリーズナブルにご紹介できています。
レビューを見ると「独特な風味で好き嫌いが分かれる」「意外と飲みやすい」と意見が分かれます。これは正直その通り。でも、まずは試してみて、ご自身の好みに合うか確かめるのが一番だと思います。
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母乳を減らすハーブに注意
気をつけたいのは、母乳を逆に減らしてしまうハーブ。
- セージ
- ペパーミント
- パセリ
- ハイビスカス
これらは料理やお茶で身近に使われやすいので、母乳量を増やしたい時期は控えるのが安心です。
ドイツでは断乳時に使われるほど有名なんです!
(※ 海外ではセントジョーンズワート、クルミの葉、クマザサなども注意が必要とされていますが、日本では一般的に摂る機会が少ないため、ここでは簡単な補足にとどめます。)
ハーブティーを飲むときの注意点
ドイツの消費者雑誌 ÖKO-TEST や、公共放送 ZDF(WISO)の調査では、授乳用ハーブティーの一部から「ピロリジジンアルカロイド(PA)」という有害物質が検出されたことがあります。
PA は 植物自身が作る天然の化学物質(植物の二次成分) で、農薬ではありません。二次成分とは、植物の成長や栄養には直接必要ないけれど、外敵から身を守るために作られる物質のことです。ハーブティーに入る場合は、収穫時に畑の雑草(PAを作る植物)が混入してしまうことが原因です。人間には、肝毒性や発がん性が指摘されています。
ÖKO-TEST と ZDF の両調査では、次のことが示されています。
- ハーブティーに PA が混入することがある
- ロットによって結果が大きく異なる
- 大量・長期の摂取はリスクがある
実際に、私が扱っている Weleda のマザーズティーでも、ÖKO-TEST(2016年)の検査で あるロットから PA が検出 されました。
一方、ZDF(WISO 2017年公開)の別ロット(07/2018 / C 0613)では 検出されなかった と報告されています(出典:ÖKO-TEST 2016、ZDF WISO 記事(ドイツ語)、ZDF WISO 検査結果PDF(ドイツ語))。
Weleda のマザーズティーは 母乳分泌をサポートする可能性があるフェヌグリーク(コロハ)入り という点で非常に貴重です。PAリスクがあるからといって、すぐに避ける必要はなく、母乳が少なくて悩んでいる方には試してみる価値があります。
重要なのは、同じロットのお茶を大量に飲み続けるのではなく、2〜3種類を交互に飲むことで、リスクを分散しながら母乳ケアをサポートできることです。オーガニックでもリスクはゼロではありません。
私のおすすめの飲み方
授乳期にハーブティーを楽しむなら、次のように使い分けるのがおすすめです。
- メインは フェヌグリーク入りのハーブティーを、授乳前の朝昼晩1日3回
- 合間には ルイボスなどノンカフェインティーやぬるま湯をサブでたっぷり
- 母乳量を増やしたい時期は ペパーミント、セージ、ハイビスカス、パセリを控える
こうすると、効果的に取り入れつつ、安心してハーブティーを楽しめます。
私自身は、ハーブティーを淹れるためにお湯をわかして、それが冷めたらぬるま湯として活用していました。お茶ばかりだと飽きるときもあるので、気楽に続けられる工夫が大切です。
母乳は水分から作られます。助産師さんからも「とにかくたくさん飲んで!」とアドバイスされました。料理ができない日は、お惣菜や具沢山味噌汁だけでも乗り切って、ご自身のからだに栄養と休息を与えて大切にしてくださいね。
まとめ
母乳を増やすなら、科学的根拠があるフェヌグリーク入りのハーブティーを。ただし同じお茶を大量に飲み続けるのはNG。2〜3種類を交互に飲むのがおすすめです。
サブのハーブティーも活用しながら、温かい飲み物で水分をしっかり摂りましょう。母乳を減らすハーブには要注意です。
母乳育児はミルクづくりをしなくていい分には楽だけど、お母さんが自分のからだで生産するので、栄養をとったり、授乳中にずっと体を拘束されるのが大変。でも、あなたのがんばりを応援してくれるのがハーブティーです。
あまり思いつめず、疲れてるなと感じたら、自分の好きなものを飲んだり食べたりして、意識的に気分を変えてリラックスしましょう。何より大切なのは、無理をせず、ご自身の体をいたわること。
あなたの母乳育児が、少しでも早く軌道に乗りますように。



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